「正論バカ」とは
「正論」とは文字通り、正しい論です。「正論バカ」の発言は、その内容だけを見れば正しいことが多く、間違ったことを言っているわけではありません。でも、自分の感情的な部分がそれを拒否してしまいます。言っていることが正しいだけに、完全に否定することもできません。そしてモヤモヤしてしまう。
正論を言っているのに、思わず「このバカ野郎!」と言いたくなる。そのような相手を、この記事では「正論バカ」と表現することにします。
正論バカの特徴
正論バカにはどのような特徴があるのかを紹介します。
相手の事情を理解しようとせず、理想論を振りかざす
正論バカは相手を責める際、相手の事情を理解しようとせず、理想論を振りかざします。
例えば、自分の大切な人が交通事故に遭って病院に運ばれたとします。重傷で、今すぐ病院に駆けつけたい。こういった状況では、信号無視をしてでも、いち早く病院に駆けつけるのは仕方のないことだと僕は考えます(もちろん安全を確認した上で)。
しかし正論バカは、「信号を無視した」という事実だけで相手を責めます。相手にどのような事情があろうと、「信号無視はいけないこと」という理想論を振りかざし、延々と相手を責め続けるのです。
以上は極端な例えですが、正論バカの発言にはこのような傾向があります。
理想論はごもっともなのですが、世の中には仕方のない状況というのが多々ありますからね。
自分のことは棚に上げて指摘する
正論バカは、自分ができていないこと・できないことについても、平気で指摘します。
例えば、自分は大した努力をしていないのに他人に「もっと頑張れよ」というようなアドバイスをしたり、自分は太っているにも関わらず「もっと痩せた方がいいよ」というような指摘をします。
悪気はないのかもしれませんが、自分を客観視できていない人間からの指摘というのは、なかなか受け入れられないものです。
ただの自己顕示欲・承認欲求での発言
正論バカは、一見、アドバイスや指摘をしているようで、実はただの自己顕示欲や承認欲求での発言をする場合があります。
例えば、正論バカは、悩んでいる後輩に対して、「今のお前のような(ダメな)状態の時、オレはこんなすごい方法で乗り切ったんだ(オレすげー!)(^O^)」というよな発言をします。
相手のためになる発言をしてあげようという気持ちよりも、「自分スゴイ!」「こんなスゴイ自分を褒めて欲しい!」という気持ちが前に出すぎているパターンですね。
「あー、これはたぶん褒めて欲しいんだな…」というのが垣間見えるアドバイスも、なかなか受け入れられるものではありませんよね。
論点のすり替え
「論点のすり替え」を行うのも正論バカの特徴です。一見、まっとうな正論を言っているようで、実は論点をずらしているだけだったりします。
以前、「男女平等を唱えるのであれば、女性専用車両だけでなく男性専用車両があって然るべき」という意見に対し、「いや、でも男性専用車両があったとして、それに乗りたいか?乗りたくないだろ?だから男性専用車両なんて不要!(ドヤ顔)」と言っている人間がいたことを覚えています。彼の発言に違和感があり、モヤモヤしていたのですが、今から考えるとただの正論バカの発言でした。「男女平等の観点」という客観的な話をしている場で、一個人の感想で反論するという行為は、論点のすり替えに他なりません。
論点のすり替えを行う正論バカは、残念ながら建設的な議論ができません。
正論バカの違和感の正体
どうでしょうか?正論バカの発言というものは、感情的に拒否したくなるものばかりです。
「あなたには言われたくない」とか「どの口が言うんだ」と感じるから、正論バカの発言には拒否反応が出てしまいます。これが、正論バカの違和感の正体です。
正論バカに違和感を覚えるのは、人として正しい感覚だと思います。その感覚は決して間違っていません。一種の防衛本能です。
正論バカの対処法
相手の発言が、こちらのためを思ってのものだったり、建設的な議論をするためのものである場合は、きちんと聞き入れるべきです。しかし、相手が正論バカの発言だった場合は聞き入れる必要はありません。
今後、正論バカの発言にモヤモヤしないようにするために、その対処法を解説します。
相手の発言の真意を考える
正論バカの発言内容だけを切り取って考えた場合、ある意味では正しいと言えます。しかし、その発言に違和感を覚えるのは、自分が本能的に納得できていないからです。
「この発言、なんか違和感あるな」と感じた場合、相手の発言の真意を考えてみるようにするといいでしょう。相手の発言が、こちらのためを思ってのことなのか、それともただの正論バカなのか、まずはよく考えてみるようにしましょう。
正論バカかどうかは直感で判断してOK
とは言うものの、相手の真意というものは、なかなかわからないものです。
ですので、相手が正論バカかどうかは、直感で判断してOKです。
人の本音というのは、行動の端々に出ます。そして、人は無意識のうちに、他人の普段の行動を見て、相手がどういった人間かを総合的に判断しています。きちんとした人なのか・だらしない人間なのか、献身的な人なのか・自己中心的な人間なのか、等を無意識に判断しているのです。人の目は節穴ではないのです。
正論バカへの違和感は、この無意識の判断によるものです。その人間の行動の端々を見た上で、直感としてそう感じ取っているのです。
だらしない人間に「真面目にやれよ」と言われたら腹が立ちます。「どの口が言うんだ」と。きちんとしている人から言われるのとは大違いです。こういった直感は大切にしましょう。
ですから、相手が正論バカかどうかは、直感で判断してOKです。
正論バカの意見を受け入れる必要はない
当たり前のことですが、正論バカの発言はまともに聞いてやる必要はありません。
「相手の立場を尊重せず、自分ができていないことを他人に要求し、建設的な議論ができず、マウントを取ってばかりの人間」、これが正論バカです。
「他人の意見はきちんと聞くべき」「ある意味では正しい発言なんだから聞く耳を持たなければならない」という優しい気持ちは、正論バカに対して持つ必要はありません。正論バカを甘やかす必要はないのです。
正論バカの発言に対しては、「また言ってるわ」と考え、流すようにしましょう。
結局は、「何を言っているのか」ではなく、「誰が言っているのか」を意識することが大切だと僕は考えます。
まとめ
正論バカの発言は、その内容だけを見れば正しいのですが、なかなか感情的に受け入れられるものではありません。
人は、日ごろの他人の行動を見て、相手がどういった人間なのかを無意識に判断しています。正論バカの発言に違和感を覚え、「どの口が言うんだ」「あなたには言われたくない」と感じるのは、この無意識の判断によるものです。その人間の行動の端々を見た上で、直感としてそう感じ取っているのです。相手が正論バカかどうかは、直感で判断してOKです。
「相手の立場を尊重せず、自分ができていないことを他人に要求し、建設的な議論ができず、マウントを取ってばかりの人間」、これが正論バカです。正論バカの発言はまともに聞いてやる必要はありません。
正論バカの発言に対しては、「また言ってるわ」と考え、流すようにしましょう。
結局は、「何を言っているのか」ではなく、「誰が言っているのか」を意識することが大切です。
今後、あなたが正論バカに悩まされることがないよう、祈っております。
ではまた!
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