人生に疲れた毒親持ちが幸せになるためのヒント

毒親からの自立 私生活

自分に自信がない、人と接するのが怖い、鬱かもしれない、人生に疲れてしまった…。でも何が原因かわからない。自分の心が弱いのかもしれない。そんな気持ちがずっと続いている場合は、あなたの親が「毒親」である可能性があります。この記事では、毒親とはどういったものかを解説し、不幸にもあなたが毒親持ちだった場合、どのようにすれば幸せに生きていけるようになるかを解説します。

毒親とは

「毒親(どくおや)」とは、子どもの毒になる親の事です。その言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。毒親は、しつけの域をはるかに超えた「暴言」「暴力」「過干渉」で子どもを精神的に支配します。本来健全であるはずの親子関係を、主従関係にしてしまうのです。子どもにとっては、たまったもんじゃありません。

本来の親の役割は、子どもを肉体的・精神的に豊かにして一人前になるのを助けることです。これに対し毒親は、子どもから搾取します。子どもに対し精神的に依存し、子どもに甘えているのです。毒親は子どもに甘えているという自覚はなく、むしろ自分自身は親として立派によくやっているとさえ思っています。そして毒親は、自分が立派な親だという認識を、子どもにも強要してきます。本来、尊敬や信頼という感情は、人間同士のつき合いの中で自然と芽生えてくるもので、相手に強要するものではありません。

人はたいていの場合、生まれてから少なくとも15年以上は親と一緒に過ごします。人格形成する上で、最も多感で重要な期間を親と共に過ごすのです。あなたの親が毒親だった場合、それは悲劇以外のなにものでもありません。長期間に渡って精神的に搾取され続けて大人になった結果、何をするにも億劫になります。臆病で、自信がなく、人に対して恐怖を抱くことすらあります。常に不安を感じます。心が落ち着くことはほとんどありません。しかしその原因がわからず、あなたは自分自身を責め続け、人生に疲れていくのです。信じられない方もいると思いますが、毒親というのは確実に存在します。

あなた自身の周りに、人としてどうしようもない人間が1人ぐらいはいると思います。パワハラ気質だったり、急にキレだしたりと様々ですが、要は嫌なヤツです。そんなろくでもない人間が、人の親になったのを想像してください。そしてあなたの親がその人間だとします。吐き気がしてきませんか?精神的に成熟している大人ですらそう感じるのです。毒親を持ってしまった子ども(この記事では「毒親持ち」と表現します)は、幸せな人生を送ることがとても難しくなることは容易に想像できると思います。

毒親持ちが不幸なところ

毒親持ちが最も不幸なところは、自身が毒親持ちという自覚がないことです。自分が毒親持ちであると気づくのは、大人であっても非常に難しいことです。僕も自分が毒親持ちであるということに気づくのに、長い時間がかかってしまいました。

毒親のせいで、常に漠然とした不安を感じ、臆病で、自信がなく、人に対して恐怖を抱くようになってしまいます。しかし自分が毒親持ちということを自覚できていないので、その原因がわからないのです。自分の心がおかしくなっているのに、原因がわからなければ対処しようがありません。

毒親持ちだと自覚できない理由

毒親持ちの自覚症状がないのは、以下の理由からだと考えます。

毒親持ちだと自覚できない理由
  • 立派な親であると洗脳されている
  • 周囲から理解されない

1つずつ解説していきます。

立派な親であると洗脳されている

毒親と子どもの関係は、親子関係ではなく主従関係です。

毒親は主従関係を築くために、様々な方法で自分が立派な親であると洗脳します。子どもは本当に素直ですから、立派な親なのだと信じてしまいます。

また毒親は、自分が立派な親ということを信じない子どもには、愛情を注がないと脅迫します。子どもは本能的に親の愛情が欲しいですから、その要求に従うしかありません。毒親持ちは、親を疑うことが許されないのです。

当然ですが、子どもは親の奴隷ではありません。意図的であろうがなかろうが、愛情を引き合いに出して子どもを洗脳することなど、到底許されることではありません。毒親持ちはこのようにして、自分の親が立派なのだと洗脳されていきます。親を疑うことがなくなり、まさか自分が毒親持ちとは思わなくなります。

周囲から理解されない

残念ながら毒親持ちは、周囲から理解されません。

親に対する不満を他人に相談したところで、「育ててもらったのにその言い方はひどい」「両親にちゃんと感謝するべき」と言いくるめられてしまいます。信頼できる友人に話しても、共感してもらうのは難しいでしょう。

これはなぜかというと、いくつか理由があります。

人は、自分の親が世間一般レベルの親だと認識しています。親は唯一無二であり、他とは比較しようがないので「どこの家庭の親もこんな感じ」と認識しているのです。親というのは千差万別であり、本当にいい親もこの世の中には多く存在しています。親に恵まれた人は、親に対して「不満はゼロではないがトータルで考えれば非常にありがたい存在」と考えています。毒親持ちの親に対する疑念は、彼らには受け入れられず、単なるわがままだと思われるのです。残念ながら、親に恵まれた人には、毒親持ちの心を理解することができません。

また、人間社会には「他人の家族の悪口を言ってはいけない」というマナーが存在します。例えば親しい友人に毒親についての話をしたとします。友人側からすると、あなたと一緒になって「ひどい親だ!」と批判するのはためらわれるのです。たとえひどい親だと思っても、大切な友人であるあなたの親のことを、悪くは言えないのです。

周囲の理解が得られず、「やっぱり親ではなく自分が悪い」「自分の心が弱いのがいけない」と認識してしまい、毒親持ちは自分を責めてしまいます。

以上の理由から毒親持ちは、自身が毒親持ちであるということを理解するのが非常に難しいのです。

何が自分の精神を蝕んでいるのかわからず、対処もできないまま自分を責め続け、毒親持ちは人生に疲れていくのです。

毒親の特徴・言動

子どもの毒になる親は毒親と言われますが、「この言動に当てはまったら毒親」と一概に言うのは難しいです。ただ、参考になるかもしれませんので、毒親の特徴・言動の一例を挙げます。

毒親の特徴・発言例
  • モラハラ発言が多い。「お前は○○がダメ」と決めつけて叱責
  • すぐ暴力を振るう。頻度、威力ともにしつけの域を大きく超えている
  • 承認欲求が強く子どもに感謝を強要。「誰のおかげで生活できると思ってるんだ?」
  • 罪悪感を煽る。「こんなによくしてやってるのに、なんで期待に応えないんだ?」
  • 子どもを自慢のダシに使う。「うちの子どもは○○大学に入った」
  • 兄弟や、他人の子どもと比較する。「○○さんの子は、○○大学なのにお前は…」
  • 学歴で人を判断する。「あの人は○○大学出身だから信頼できる」
  • 子どもの意見を聞かない。「お前の意見は聞いてない」
  • 外面はいいが、内弁慶

どうでしょうか。親にこのような言動を繰り返しされ続けたら、心が壊れて当然です。10年以上の長い期間です。心身共に健全な子どもが育つわけがありません。疲れ切った大人になって当然です。

もしあなたが毒親持ちなら、まずは自分自身を褒めてあげてください。こんな仕打ちをされてきたのにここまでよく生きてきた、と。生きてるだけで奇跡なんだ、と。

毒親持ちの特徴

毒親持ちの人(毒親の子ども)は、それを自覚するのは非常に困難です。僕なりに毒親持ちの特徴を考えてみました。

自分は毒親持ちかもしれないと思う方は参考にしてみてください。

毒親持ちの特徴
  • 反抗期がなかった。いわゆる「いい子」だった
  • ついつい人の顔色ばかり伺ってしまう
  • 社会人になってからも親が怖い、親に意見できない
  • 自分に自信がない
  • 自分は何が好きで、何をしたら楽しいと感じるのか、よくわからない
  • 親に褒められるために生きてきた
  • 子どもの頃、両親が大声で喧嘩していて眠れない夜がよくあった
  • 実家にいても落ち着かない。実家への帰省は義務感(本当は帰りたくない)

以上に当てはまった方は、毒親持ちかもしれません。

毒親持ちの人へ伝えたいこと

もしあなたが毒親持ちだったなら、伝えたいことがあります。

悲しいことですが、まずは自分の親が毒親であることを自覚してください。そのことを誰からも理解してもらえなかったのに、あなたは今までよく生きてきました。これは本当に、褒められるべき事です。普通の人間には、とても真似できることではありません。

罵声を浴びせられ、ひどいことをされたにも関わらず、親を親として大切にしてきました。しかし毒親は、あなたに主従関係を強いてきたのです。よく耐えました。

その忍耐力は相当なものです。強靱な鋼のような忍耐力です。しかし、いかに強靱な鋼であっても、酷使され続ければ折れてしまいます。

毒親から搾取され続けたあなたの鋼の心は、折れてしまっているのです。その折れてしまった心を、今日から修復していきましょう。

時間はかかりますが、1日1日、少しずつ本来のあなたに戻っていけばいいのです。

僕は思います。たとえ歴史上の偉大な人物であったとしても、もし毒親の家庭に生まれていたならば、絶対に大成していないと。「毒親持ちだったにも関わらず天下統一した」という人物はいないですから、これは人類の歴史が証明していることでもあります。親の存在というのは、それだけハンデになり得るということです。

毒親持ちの人は、大人になると、周囲の人間と自分を比較して、絶望を経験します。人間関係がうまくいかなかったり、会社での出世が遅れたり、異性関係がうまくいかない事を、周囲と比較して落ち込んでしまうのです。これは毒親持ちが誰しもが通る道であると、僕は考えます。

こう考えてください、あなたがやっている競技は、周囲の人間と違うのだと。人生が順風満帆な人は、単純な100メートル走をしています。全力で走れます。一方、毒親持ちのあなたは、100メートルの障害物競走をやっているのです。距離は同じく100メートルですが、たくさんの障壁が立ちはだかっています。やっている競技が違うのですから、結果が違って当然です。

誰しもが障壁のない人生を歩みたいと望みますが、不幸なことにあなたは、毒親という非常に厄介な障壁を抱えてしまっているのです。

そして残念ながら、周囲にはそのことを理解してもらうのは非常に難しいのです。

だからこそ、あなたは自分の人生がハンデ戦であることを、心に強く留めておいてください。あなた自身が、あなたの一番の理解者になってあげてください。

毒親持ちが幸せになるための方法

毒親持ちは、本当に不幸な事だと思います。それでも、幸せに生きることはできると、僕は信じています。まさに「不幸中の幸い」です。

毒親持ちが幸せになるためのステップ
  • まずは自分の親が毒親であり、変わらないことを認識する
  • 毒親との距離をとる。実家暮らしであれば、引っ越すのが一番
  • 引っ越しが難しい場合は、一緒に過ごさないようにする
  • 本来の自分を取り戻すため、自信をつける

毒親に耐えてきた、鋼の忍耐力があるあなたならば幸せになることは可能です。

まずは自分の親が毒親であることを認識しましょう。そして悲しいことに、毒親自身はこちらがいくら働きかけても変わらないことも覚えておきましょう。毒親にとって、こちらは「子ども」ではなく「従者」なのです。残念ながら、従者の意見は聞き入れられません。

次に、毒親との距離をとりましょう。既に実家を出て別居している方であれば、極力帰省しないようにしましょう。実家に暮らしている方は、引っ越して別居するのが一番です。毒親と別居するのは本当におすすめです。実家から通えないところに就職したり、「社会人になったし自立したい」「通勤時間を減らしたい」等の理由で引っ越しましょう。

とはいえ、引っ越しはかなりハードルが高いです。そもそも親がそれを許さない可能性もありますし、何より引っ越しにはかなりの気力とお金が必要です。

引っ越すのが難しく、実家で暮らさなければならない方は、できるだけ毒親と一緒に時間を過ごさないことを心がけましょう。同じ部屋にいないようにする、休みの日は外に出かける、などが有効な手段です。

また、自信をつけるのも有効だと考えます。自信のつけ方についての記事も書きましたので、よかったら読んでください(^^)

自信がつけば、実家から引っ越すためのエネルギーも出てくることでしょう。

まとめ

世の中には「毒親」が存在します。

毒親持ちは周囲の理解を得られず、自分の心を蝕む原因が何なのかを理解できずに、自分を責め続け、人生に疲れていきます。

毒親持ちが幸せに生きるためには、まず自分が毒親持ちであることを自覚しましょう。そして、今まで理不尽に耐えてよく頑張ってきた自分を褒めてあげましょう。

次に、親との距離をとりましょう。実家から引っ越すのが一番です。

また、日常を改善して、自信をつけることも有効です。

自分自身と向き合って、少しずつ本来の自分を取り戻していきましょう。

すぐに幸せに生きるようになるのは難しいですが、1日1日改善していきましょう。気がつけば、今の自分からは想像もできないほど自信がつき、幸せになっていることでしょう。

この記事を読んでくれた方の幸せを祈っております(^^)

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