おじさんの人生はハードモード
はじめに、悲しい事実を報告します。それは、「おじさん」は存在しているだけで、周囲からやんわりと嫌われてしまうということです。おじさんは、どの層からも需要がありません(泣) ジェンダー平等や世代間格差をなくそうという現代ではありますが、「おじさん」は自動的に忌み嫌われます。「おじさんが好き!」という人もまれにいますが、それはおじさんなら誰でもいいというわけではなく、付加価値のあるスペシャルなおじさんが好きという話です。悲しい話ですが、おじさんという存在が無条件に愛されることはありません。
子犬や子猫に対して、たいていの人は「かわいい!」という印象を持つことでしょう。ただ存在しているだけで周囲の癒しとなり、愛されるべき存在です。おじさんはその逆です。何も悪いことをしていないのに、周囲から嫌われてしまうのです。本当にかわいそうですよね。そして男である以上、誰もが例外なくおじさんになります。人生におけるおじさん期は非常に長いです。少なく見積もっても、40代~60代までをおじさんとした場合、30年間以上はおじさん期があるわけです。周囲からやんわりと嫌われる存在として、30年以上も生きなければなりません。気が遠くなりますよね(^_^;)
男が人生を謳歌する上で、おじさん期をいかに過ごすかが重要であることは間違いありません。まず、おじさんがどの程度嫌われているのかを数値化します。完全に僕の独断と偏見ですが、人からの評価の増減を数値化すると以下のようになります。
僕の体感だとこんな感じです。ドラマ等でみられる「悪そうなヤツが実はいいヤツだった」という、評価がうなぎ上りになるパターンをプラス100点だとすると、「おじさんである」はマイナス5,000点です。数値のインフレ具合、ハンパないです(笑) おじさんは、何も悪いことをしていないのにこれぐらい嫌われる存在なのです。一生懸命に働いているにも関わらず、世の中から軽く扱われているお父さん方を見ていると、悲しくなってきます。並大抵の努力では、評価がプラスに転じることはありません。おじさんは、血のにじむような努力をして周囲に貢献して、ようやく生存権を勝ち取ることができます。おじさんは、ハードモードの人生をプレイさせられるということを覚えておきましょう。おじさんの人生にイージーモードはありません。
おじさんの個体差
世間の人々はおじさんには全く興味がないので、「おじさん」とひとくくりにしがちですが、その個体差は非常に大きいです。尊敬すべきイケてるおじさんもいれば、ウザいおっさんもいます。同じ人類とは思えないほどの違いがあります。よく考えると、おじさんは数十年の長い時を生きているのですから、個人差が大きくて当然と言えます。
僕自身がいろんなおじさんと接してみて感じたのが、「イケてるおじさんとはもっと仲良くしたい。ウザいおっさんとはできるだけ関わりたくない」ということです。当然と言えば当然の感想ですね(笑) 何が言いたいのかというと、イケてるおじさんの周りには人が集まり、ウザいおっさんには人が寄ってこないということです。周囲の人から魅力的と思われる、人が寄ってくるイケてるおじさんになることで、長いおじさん期を謳歌することができるんじゃないかと思います。
イケてるおじさんとウザいおっさんの違い
次に、イケてるおじさんとウザいおっさんでは何が違うのかについて解説します。僕が接してきたおじさんたちの言動をもとに述べていきます。
一つずつ解説します。
他人への敬意
他人に敬意を払えるかどうかは重要です。ウザいおっさんは、年下の後輩に敬意を払うことをしません。それどころか、後輩相手に偉そうにします。上司や先輩というのは、後輩がミスしたときにフォローしたり、後輩が一人前になるよう指導したりといった、後輩の役に立つべき存在です。後輩を助けてはじめて、偉そうにする権利が生じます。上司や先輩は、部下や後輩の頼りになったり責任を取れるから偉いのです。ウザいおっさんはこれをわかっておらず、ただ単に自分の方が年上だとか、入社歴が長いというだけの理由で、後輩相手に偉そうにします。こういったウザいおっさんほど、全く後輩の役に立っていなかったりします。それどころか、わからないことがあれば、いくらこちらが忙しそうにしていようとも、ヘラヘラしながら聞いてきたりします。こちらの力を借りる時は愛想よくしますが、その用事が終われば元通りの不愛想なおっさんに逆戻りします。他人をアテにして生きるのは悪いとは言いません。でも、自分は他人に協力しないくせに、都合のいい時だけ愛想よくして他人に依存するのは良くありません。ウザいおっさんは、後輩は自分に尽くして当然と考える一方で、自分が後輩の役に立つ必要性については考えていないのでしょう。そういったおっさんは、ウザがられても仕方ありません。
一方、イケてるおじさんは、謙虚な場合が多く、他人に対する態度をわきまえています。相手が後輩や部下であっても、きちんと敬意を払って接します。全知全能な人など存在しませんから、なんでもできる人はいません。先輩の方が優れている点もありますし、後輩の方が優れている点もあります。先輩であっても必要に応じて、後輩に協力を仰ぐ必要があります。例えば、対人交渉能力や仕事上の判断能力は一般的に先輩社員の方が優れています。一方で、ITスキルや体力や若さは後輩社員の方が優れていることが多いです。イケてるおじさんはそれを理解しており、いずれ後輩の力を借りなければいけないことをわかっています。だからこそ、普段から後輩に対しても丁寧に接しますし、自分の方が優れていることに関しては積極的に力を貸します。そういった日頃の行いにより、後輩はイケてるおじさんに感謝の念を抱くようになります。そしてイケてるおじさんが後輩に頼る必要性が生じた時に、後輩は喜んで力を貸してくれるのです。
責任感と行動力
イケてるおじさんとウザいおっさんでは、責任感と行動力に大きな違いがあります。ウザいおっさんは、責任感と行動力が欠如しています。これは省エネ思考によるものです。「いかに自分が厄介ごとに巻き込まれないか」を優先して生きています。例えば、部署の中で誰かがやらないといけないような仕事(雑用)があったとしても、絶対にやりません。こういったおっさんは、「誰がやってもいい仕事は、他の誰かがやるだろう」「雑用は後輩がやるべき」といった思考をしています。そして、自分は全く動かないくせに、他人に対してはいっちょ前に発言します。会社でトラブルが起こった時の対策会議で、口先だけのウザいおっさんがいたのを覚えています。そのおっさんは「誰のせいでトラブルが起こったのか」「こうすればトラブルは起こらなかったんじゃないか」など、誰かを責め立てたり、理想論ばかり語っていました。責任感がなく他人事として語るので、具体的な解決策の提案は全くしませんでした。責任感と行動力がないおっさんは、こういった傾向が強いような気がします。そして、愚痴や悪口ばかりを言うおっさんも多いです。行動力がないので、不平や不満があっても自分で行動して解決しようとはしません。しかし、自ら行動しなければ状況が好転することはほとんどありません。ですから口先だけ達者になり、愚痴や悪口を言って溜飲を下げることが多くなります。100回に1回ぐらいまともなことを言う場合もありますが、周囲から疎まれているので、誰も彼らの意見に真剣に耳を傾けようとはしません。
イケてるおじさんは、自ら率先して行動し、責任感を持って問題を解決しようとします。周囲が困っていれば手を貸しますし、的確なアドバイスもしてくれます。理郎論ばかり言って何も行動しないウザいおっさんとは違い、イケてるおじさんは非常に頼りになります。普段の行動を通して周囲からの信頼を得ていますから、「あの人の言うことなら間違いない」と発言への信頼感もハンパないです。
成長への意欲
成長する意欲があるかどうかも、おじさんのイケてる度に大きく関係があると思います。以前の僕は、おじさんになると誰もが現状維持に甘んじて全く成長しなくなると思っていました。そんな中、50歳を過ぎた先輩社員が、「給料をもらっている分ぐらいは会社に貢献できる人間にならないといけないからね」と、全く新しい分野の勉強をしていました。「ベテランになっても成長意欲があるなんてかっこいいなぁ」と素直に思いました。成長しようとする意欲があるか・変化に対応しようとする努力ができるかどうかは、イケてるおじさんとウザいおっさんを分かつ大きな条件になると思います。成長する意欲のあるおじさんは、時代の変化にうまく適応して成長し、ますます頼もしくなっていきます。
一方、現状維持を好むおっさんは時代や環境の変化についていけず、他人の足を引っ張るようになります。変化に合わせられない人間は、心のどこかで他人が自分に合わせるべきと思っていますから、ウザいおっさんになりがちです。年齢を重ねると、新しいことを始めるのが億劫になっていくのは確かです。変化に適応しようと努力して成長するか、現状維持のために周囲を自分に合わせさせるか。いずれになるかでおじさんの価値は大きく変わってくるのは間違いありません。
日頃の行いは大事
これまでに述べた、イケてるおじさんとウザいおっさんの違いは、日頃の言動に表れます。そして日頃の言動は、他人からの評価に直結します。以前、会社で立食パーティーがありました。その中で、一人でポツンと立っている人物がいました。それは、典型的なウザいおっさんでした。それを見た僕は先輩社員に、「あの人(=ウザいおっさん)、ひとりでかわいそうですね。話しに行ってあげるべきでしょうか?」と相談しました。すると先輩社員は、「あの状態になっているのは、彼の日頃の行いの結果だよ。特に気にする必要はない。彼自身の責任なのだから」と答えました。僕はそれを聞いて、「日頃の行いって大事だなー」と思いました。それと同時に、ウザいおっさんになってしまったら、人は寄ってこなくなるんだなと痛感しました。「ウザいおっさんになる」=「人望が壊滅的になってしまう」ことを思い知りました。これは仕事・プライベート関係ありません。老後のことを考えると、ウザいおっさんは仕事を引退後、孤独に生きていかなければいけないことでしょう。だからこそ、充実した人生を過ごすために、ウザいおっさんではなくイケてるおじさんになることを、目指していきましょう!
おじさんになると変化する部分
イケてるおじさんとウザいおっさんには、大きな違いがあることを解説しました。では、なぜこのような違いが生じるのか。それは若者からおじさんになる時に起こる変化に、大いに関係があると思います。おじさんになりかけの30代後半の僕(まだおじさんだとは認めません(笑))が、おじさんになると起こる変化について説明します。
一つずつ解説します。
体力・回復力の低下
おじさんになると、若いころに比べて体力が低下します。肉体的に負荷の高いことができなくなるのに加え、集中力も持続しなくなります。さらに回復力も低下しますので、寝ても疲れが取れにくくなります。というか、滅多に熟睡できません(泣) 僕は30歳を過ぎたころから、体力・回復力の低下を実感しています。こうなると、しんどいこと避けるために本能的に省エネ思考になってしまうのは必然と言えるでしょう。また、おじさんになると省エネ思考が故に、何事も面倒になって新しいものを受け入れられなくなっていくのも仕方がないことだと思います。
小汚くなる
おじさんになると、腹が出てきて、頭髪が薄くなり、くしゃみの音が大きくなり、肌も汚くなって、加齢臭を放つようになります。おじさんが周囲から嫌われる大きな理由が、小汚くなることです。なんだかんだ言っても、見た目とか清潔感は大事です。何も悪いことをしていないのに、小汚いというだけで周囲から嫌われるのはかわいそうですが、それがおじさんの宿命です。
我慢弱くなる
おじさんになると我慢弱くなります。人間は加齢とともに、脳の理性をつかさどる部分が劣化していくそうです。男性はそれが顕著なのだとか。キレやすくなったり、食欲に従順になって太りやすくなったり、他人にマウントをとりたいという欲求を我慢できなくなっていきます。大人として絶対に必要な能力である我慢強さを保ちにくくなっていくわけです。まさに嫌われるおっさん一直線といったところです。我慢弱くなることは、ウザいおっさんに直結します。恐ろしいですね。
人生経験が豊富になる
ここまで、おじさんになると劣化する部分ばかり書きました。では、おじさんは若者の完全下位互換なのかというと、そういうわけでもありません。おじさんは豊富な人生経験を持っています。豊富な人生経験こそが若者よりも唯一優れている点と言っていいと思います。伊達に長生きしているわけではありません。豊富な知識、生きる術、失敗談、成功談を持っています。仲間が困っていることがあれば、「こういう場合はこうすればいいよ」と知識・経験によるアドバイスが可能です。これらを活かすことで、周囲の役に立つことができるわけです。
守るべきものが増える
おじさんになると、守るべきものが増えます。例えば、養うべき家族を持つことで、頑張って稼がなくてはいけなくなります。また、部下を持った上司の中には、部下を厄介ごとから守ったり出世させたりすることに熱心になる人格者もいるでしょう。守るべきものが増えることで、自分が悪くなくても頭を下げたりする等、理不尽に耐えられるようになります。守るべきもののために頑張るおじさんは、素直にかっこいいと思います。
イケてるおじさんになる方法
以上を踏まえ、周囲から一目置かれるイケてるおじさんになる方法について解説します(ようやく(笑))。
一つずつ解説していきます。
人生ハードモードを覚悟して、期待を捨てる
まず、おじさんの人生はハードモードであることを覚悟しましょう。残念ながらおじさんという存在は、誰も助けてくれません。自分自身の力で何とか強く生き延びていかなければなりません。その覚悟を決める必要があります。
少しシリアスな話をします。日本での自殺者の割合は、50代男性が最も多く、40代男性がその次に多いです(年齢別・男女別。「令和4年中における自殺の状況」、厚生労働省・警視庁、2023年)。自ら命を絶つまで追い込まれてしまうというのは、とても悲しい事です。その数が一番多いのが、50代・40代の男性という、ドンピシャのおじさん世代です。しかし、そんな事実ある中、「おじさんはかわいそうだ!助けてあげよう!」という社会になっているでしょうか?いや、なっていませんよね。今の世の中は、女性や性的少数派などの社会的弱者と言われる存在には、みんなで助けようという風潮があります。これ自体が悪いとは言いません。でもおじさんは、自ら命を絶つほど苦しんでいる数が最も多いにも関わらず、世間は助けてくれません。いくら劣悪な環境で働かされようが、家族から軽く扱われようが、かわいそうと思ってもらえないのです。そして残念なことに、今後もその流れは変わらないことでしょう。
だからこそおじさんは、自分の身は自分で守り、孤高に生きていく覚悟を決める必要があるのです。人生ハードモードに立ち向かっていく心の準備をしましょう。根性論になりますが、この覚悟があるだけでも面構えが変わってきます。また、自分で何とか生き延びなければならないという覚悟を決めることで、他人や環境に期待しなくなっていきます。期待を捨てることは悪いことではありません。期待を捨てることで、助けてもらえなくて当然と思うようになるわけですから、他人から助けてもらった時には素直に感謝できるようになります。また、最悪の事態を想定して生きているわけですから、ほんの少しの幸運な出来事にも幸福感を得られるようになります。
他人への敬意を忘れない
他人に対する敬意を忘れないように心がけましょう。かしこまって媚びへつらう必要はありませんが、丁寧に接することを忘れないようにしましょう。偉そうなおっさんは嫌われます。味方は多い方がいいですし、敵をつくらないに越したことはないです。「自分自身の力で生きていく覚悟を持つべき」と述べましたが、いつかは他人に力を借りなければならない時が来ます。上司には会社の上層部への根回しをしてもらう必要がありますし、事務仕事やIT関係については後輩の方がよく知っていたりします。家族が家事をしてくれることで、快適な家庭環境で過ごすことができます。自分の完全下位互換の人などいませんから、協力してもらう方が仕事・プライベート双方がうまくいく場合は多々あります。
普段から他人に丁寧に接していると、様々な恩恵が得られます。まず、相手の愛想が目に見えてよくなります。こちらの愛想がいいと、相手の愛想もよくなります。また、後輩相手に普段から丁寧に接していると、頼みごとをした際にこちらが期待していた以上の働きをしてくれることもあります。「あの人のために尽くしたい」と思ってもらうことができれば、こちらのものです。腹黒い考え方ですが(笑)、それが人間関係の一つの真実です。継続すれば自分にも返ってくるので、他人に敬意を持ち丁寧に接するのを忘れないようにしましょう。
自分から進んで愛想よく接する
他人に対して丁寧に接する上で特に重要なのが、普段から愛想よくすることです。斜に構えず、普段から愛想よくすることを心がけましょう。ムスッとした仏頂面のおじさんには、人が寄ってきません。まずすべき行動は、相手が後輩であっても、自分から進んで笑顔で挨拶することです。相手がほぼ無反応であったり、時には無視されることもあるでしょう。そんな時は当然ですがショックを受けます。でも、悩んでいたりお腹が痛かったり、相手に挨拶を返せないような事態が起きているのかもしれません。一度であきらめるのではなく、数回試してみましょう。それでも相手のリアクションがイマイチなのであれば、「この人は挨拶できない人間なのだな」とあきらめましょう。普段から挨拶しておけば、相手の返し方が大体わかってきます。最終的には、想定される相手の返しよりもちょっと上ぐらいのテンションで挨拶するのがベストです。愛想よく挨拶することを重ねるだけで、相手からの評価は知らず知らずのうちに上がっていきます。普段からそうしておくことで、いざという時に助けてくれる仲間になってくれたりします。
また、普段の積極的なあいさつに加え、「ありがとう・ごめんなさい」をきちんと言うようにしましょう。その時に、愛嬌があればなお良しです。おじさんにはかわいいという要素はないと思われがちですが、おじさんこそ愛嬌が大事です。「ありがとう」を言う時は嬉しそうに、「ごめんなさい」を言う時は申し訳なさそうに振舞うのがポイントです。「ありがとう・ごめんなさい」は、大人として当然しなければならないことなのですが、なぜかほとんどのおじさんができません。おそらく、おじさんなりのプライドが邪魔をするのでしょう。だからこそ、愛嬌のないおっさんと差別化できるチャンスです。愛嬌のある「ありがとう・ごめんなさい」ができるだけで、イケてるおじさんに一歩近づけます。プライドを捨てれば、意外と簡単にできるものですよ。
人間関係を厳選する、仕事以外の世界を持つ
イケてるおじさんになるためには、人間関係を厳選することも忘れてはいけません。人脈が広がれば広がるほど良いと考える人もいます。若いうちはそれでもいいでしょう。でも、年齢を重ねていくにつれ、人間関係は絞り込んでいった方がいいと僕は考えます。人間関係を厳選するにあたり、まずはこちらを軽視してくる人間・マウントをとってくる人間と極力関わらないようにすることから始めましょう。嫌なヤツと接していても疲れるだけですし、嫌なヤツを黙らせるにはそれ以上の嫌なヤツになるしかありません。そんなの嫌ですよね。そういった輩とは、接する時間をできるだけ減らすようにするのが一番です。彼らに構うこと自体が人生のムダな時間と考えるようにしましょう。
社会人になって会社に所属していると、職場の同僚・取引先の人と関わる時間が必然的に増えていきます。必要最小限の関係性は維持しなければいけませんから、歓迎会・送別会・忘年会など、年に数回の飲み会であれば行ってもいいでしょう。でも、多くの時間をともに過ごす必要はないと思うのです。心の許せる人や、本当に尊敬できる人が仕事関係で見つかれば最高です。仕事を抜きにしても親交を深めたいと思う人であれば、積極的に関わればいいと思います。でもそうでなければ、飲み会などの付き合いは必要最小限にするべきです。
以前の僕は、自分で言うのもなんですが、非常に付き合いのいい会社員でした。上司からの飲みの誘いが当日だとしても、積極的に参加していました。また、休日開催の取引先とのゴルフコンペにも参加していました(※僕はゴルフ好きではありません)。こういった仕事上の付き合いは、参加したら参加したで楽しかったりするので、全否定するつもりはありません。それに、社会経験として全くのムダだったとも思いません。でも今は、そういった誘いを断ることが多くなりました。その要因として大きいのは、出世できていないことです。僕は会社の同期と比べてあまり出世できていません(泣) この事実を真剣に考えたとき、とても悲しくなって絶望したことがあります。業務時間だけでなく、プライベートの時間を削ってまで、仕事上の人間関係維持に尽くしてきたのに、なぜ出世できないのか。会社からのこの仕打ちは何故なんだ、と絶望しました。それがきっかけで、過去に参加した飲み会やゴルフコンペを、心の底から楽しんでいなかったんだなと気づきました。本気で楽しんでいたならば、「出世できてないけど、とても楽しかったし、まぁいいか」となったはずです。仕事での人間関係に重きを置きすぎると、「自分の価値=仕事でうまくいくか」になっていきます。そうなれば、思った通りに出世できなかった時などに大きなショックを受けてしまいます。
今は、出世できていないことに昔ほど落ち込んではいません。歳を重ねて感覚がマヒしたのかもしれませんが(笑)、それだけではないと思います。仕事以外の世界を持つことを意識するようになったのが大きいと思います。心の許せる友人や家族がいて、そんな大切な人たちと楽しい時間を過ごすことで、仕事上の悩みが軽減されるようになりました。また、趣味に没頭する時間をつくることも、自分の心の整理に役立ちました。「会社なんて自分の人生の中のほんの一部に過ぎない。仕事だけに人生の時間を使うのはもったいない」と考えるようになりました。その結果、出世させてくれない会社に対してドライに考えるようになりました。今ではサービス残業なんてしないようになりましたし、有給休暇をすべて使うようにも心がけています。当日の飲みの誘いも断るようになりました。
主に仕事上の人間関係を厳選することで、仕事以外の世界を持つことができました。その結果、人生が充実しています。仕事に対してドライに捉えられるようになり、心に余裕が出てきました。結果として、イケてるおじさんになりつつあると自覚しています。少なくとも、仕事にのめり込んでいた時よりも、人として魅力的になった自信はあります。人間関係を厳選して仕事以外の世界を持つという生き方、おすすめですよ。
キレないよう心がける
おじさんになると、キレやすくなります。いくらイラッとすることがあっても、理不尽に他人に怒りをぶつけたり、怒鳴ったりするのは絶対にいけません。一度でもブチギレているところを他人に見せてしまうと、周囲から人は去っていきます。僕は一度、会社のおじさんに理不尽にキレられたことがあります。こちらに全く落ち度がなかったのに、怒鳴られました。何週間か経ってから、「あの時はすまなかった」と、相手はそのことを謝ってきました。大人の対応として、「いやー、気にしなくていいですよ」と言いましたが、それ以降、そのおじさんを避けるようになりました。そのおじさんからはちゃんと謝罪も受けましたし、一度怒鳴られた以外の被害は受けていません。それでも、たった一度でも理不尽にキレられると、その相手と心を通わせるのは困難になるということを、被害者との立場として知りました。また、ブチギレることで疎遠になってしまうのは被害者だけではありません。被害者と親しい人や、ブチギレた現場を目撃した人からも敬遠されるようになります。キレるのは、人間関係をトータルで考えた場合、得策とは言えません。無礼な人間に対してはキレたくもなるかもしれませんが、そういった人間に対してはキレて対抗するより、極力関わらない・接する時間を最小限にするように心がけましょう。
人の怒りは、5秒ぐらいでピークが過ぎるらしいので、5秒だけ我慢してみましょう。…というような方法論もありますが、何よりも大事なのは、自分の体のコンディションを高い状態に維持することだと思います。普段からきちんと睡眠時間を確保して、栄養バランスのいい食事、適度な運動を心がけましょう。体調がいいと、心に余裕が出てきます。余裕がでると、腹が立つことも少なくなって、結果的にキレにくくなります。できるだけ、自分の怒りをコントロールするようになりましょう。
後回しにしない
おじさんになると、何事も面倒になります。おじさんになって体力が低下することで、省エネモードになるからです。余計なエネルギーを使わないための本能です。でもだからこそ、やるべきことがあるのであれば、後回しにせずにさっさと片づけるように意識しましょう。後回しにすると、余計にめんどくさくなります。そしてやらなかったが故のツケをいずれ払うことになります。後回しにすることは、一生やらないのと同義になることを覚えておきましょう。「いつやるの?今でしょ!」はおじさんほど心がけるべき言葉です。
自分の価値観を押し付けない、新しい価値観を否定しない
おじさんになると、どうしても凝り固まった考えになってしまいます。新しい価値観を受け入れる余裕がなくなっていきます。ムリに若者に合わせる必要はありませんが、彼らの価値観を否定するのはやめておきましょう。例えば、「ティックトック」というのが若者の間で流行っているようですが、僕はやってません。でも、それを楽しむ若者の価値観を否定してはいけないと思うのです。また、自分の価値観を、他人に押し付けるのも避けるべきです。過去の武勇伝を語ったり、「昔はよかった」と昔の話を延々とするおじさんは嫌われます。これは自分の価値観の押し付けに近しい行為だからです。「自分の価値観を押し付けない、新しい価値観を否定しない」というのを、心がけておきましょう。
経験を活かして後輩を助ける
おじさんが若者に勝る点は、経験の豊富さだけと言っても過言ではありません。若者から一目置かれるためには、この部分で実力を発揮するしかありません。困っている後輩がいれば、自分の知識・経験をもとにして、積極的に助けてあげるようにしましょう。もしその後輩が義理堅いのであれば、あなたが困った時にその借りを返してくれるはずです。いずれ自分のためになる可能性も高いので、身近に困っている人がいれば助けてあげましょう。
以上の方法を実践することで、周囲から一目置かれるイケてるおじさんになることができるはずです。男の人生におけるおじさん期は長期戦です。おじさん期を謳歌するためにも、イケてるおじさんを目指していきましょう!人生トータルの幸福度も爆上がりするはずです。
少しずつですが、日常をより良く変えていきましょう!
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